【出生前検査】胎児超音波検査(NT検査)
検出可能な疾患
主に赤ちゃんの「外観的な異常」により疾患の可能性を診断できます。
鼻骨の欠損などの外見的な異常、血流の有無による内臓の異常などを検査できるほか、NTと呼ばれる胎児の後頸部肥厚(首の後ろのむくみの厚さ)の測定することで、ダウン症候群などの染色体異常などの診断も行うことができます。NT値が高いほど、染色体異常やその他の病気の可能性が高くなるとされています。
検査方法
超音波で母体内の赤ちゃんの状況を確認して検査を行います。
ダウン症候群などの染色体異常の可能性を判断するNT値の基準は以下のようになっており、3.0から3.5を超える場合には可能性が高いと判断されます。
NT値(mm) | 染色体異常(%) |
---|---|
~3.4 | 0.3 |
3.5~4.4 | 20 |
4.5~5.4 | 33 |
5.5~6.4 | 50 |
6.5~ | 65 |
最終的な疾患のリスクの推定は、NT値の他に、母体の年齢や超音波検査における他の所見などを加味して判断されることが多くなっています。
検査対象期間
妊娠11週0日~13週6日の期間に実施できます。妊娠期間が長くなるとNTも小さくなるため正しい検査ができなくなるようです。逆に妊娠期間が長くなってもNTが大きい場合には赤ちゃんに異常がある可能性が考えられます。
費用
1万~2万のことが多いようです。
メリット・デメリット
体の一部が欠損していたり血流が弱いなど、外観からわかる疾患に関しては確定的に判断することはできます。
一方で、NT値によるダウン症候群などの可能性の推定は、「この値が大きいほど疾患のもった赤ちゃんが生まれる可能性が高い」というような経験則に基づくものであり、曖昧さを残るものです。また、NT値は数ミリの違いで判断結果が大きく変わるため、検査を行う技師の技術が未熟なら、検査自体が意味の無いものになってしまいます。
このような理由から、NT検査は意味が無いと考える医師もいるようです。検査の不正確性をカバーするために、母体血清マーカー検査などと組み合わせて検査を行う医院もあります。
いずれにせよ、検査を行う場合には、できるだけ経験豊富な病院やクリニックで検査してもらうほうがよいでしょう。