【出生前検査】羊水検査
検出可能な疾患
ダウン症候群をはじめとした染色体疾患のほか、開放性神経管奇形(開放性二分脊椎・無脳症)を検査可能です。
検査方法
子宮に刺した長い注射針から羊水を採取して検査します。羊水の中には赤ちゃんからはがれた細胞が浮遊しており、その細胞を培養することで、染色体診断や遺伝子診断が可能となります。
羊水の採取・培養に問題が無ければ確定的な診断を得ることができます。まれに細胞が採取できなかったり、採取した細胞を培養しても十分に増えないことがあり、この場合は診断を行うことができません。
また、染色体が異常な細胞と正常な細胞の両方が混在する「モザイク」とよばれる染色体異常は正しく診断できないことがあります。これは、採取した細胞の中に異常な細胞が含まれていなかったり、培養した細胞を確認する時点で、異常な細胞を見落とすことがあるためです。
検査対象期間
安定期に入り羊水の量が増える妊娠15週目から18週の期間に実施できます。細胞の培養が必要なことから、検査結果には2〜3週間ほどかかります。
費用
およそ7〜20万となっています。施設による違いが大きく、10万以下のところもあります。できるだけ出費を抑えたい方は、事前に調べるのがオススメです。
メリット・デメリット
確定検査のため、細胞を正しく採取・培養できれば、染色体異常の有無について確定診断を得られることが一番のメリットでしょう。
デメリットとしては、0.3%の割合で流産や破水、感染症などの可能性があることがあげられます。これは、子宮に直接針を刺すことが原因で起こるものです。このリスクを減らすためにも、検査日を含めて1〜3日は安静にすることが推奨されていますが、仕事をしている方にとっては、その期間を確保するのも難しいかもしれません。
検査できるのが妊娠15週目以降と比較的遅い時期であることもデメリットになります。診断結果によっては中絶を考える方もいると思いますが、時期が遅くなるほど母体への負担が大きくなるためです。また、検査した医院で中絶出来ない場合は自分で別のところを探すことになりますが、中期中絶のリミットである21週6日に間に合うように予約することも難しくなるでしょう。