疲労の専門医がおすすめ!効果的な疲労回復方法とは
現在、日本人の50%以上が日常生活の中で疲労感を感じているといいます。
疲労感を継続して感じると、頭痛や腰痛などの他の症状を引き起こす原因にもなるといわれます。
この疲労について医学的に研究してきたのが大阪市立大学医学部の梶本修身先生です。
その梶本先生がジョブチューンの中で、疲労回復のためにやってはいけないこと、おすすめの疲労回復方法を紹介していたので気ままにまとめてみたいと思います。
疲労回復には半身浴と鶏の胸肉が効果的
疲労回復法として入浴を挙げる人もいると思いますが、疲労回復のための効果的な入浴法は「約40度のお湯の半身浴」です。お風呂のお湯が熱すぎたり、量が多いと逆効果になります。
入浴時間は「汗をかき始めるくらいまで」が目安です。時間が長すぎても疲れてしまいます。
また、疲れたときに効果的な食べ物は「鶏の胸肉」です。鶏の胸肉に含まれる成分が疲労回復に役立ちます。
それでは詳しく説明していきます。
熱いお湯は逆に疲れてしまう
入浴においてまず気をつけたいのはお湯の温度です。
一般的に人の体温は37度前後で、脳はその体温は維持しようと働きます。これはお風呂に入るっているときでも同じです。
自分の体温よりも高いお湯に入れば、脳は体温を維持しようとします。入浴中に汗をかくのは、脳が自分の体温を下げようとしているからです。
お湯の温度が自分の体温よりも高ければ高いほど、脳はより多くのエネルギーを使うことになります。
脳がエネルギーを使えば、それは疲れの元になります。結果として、疲れを取るためにお風呂に入ったのに、逆に体は疲れてしまう、ということになってしまうのです。
熱いお風呂に入ったほうが良く眠れるという人もいると思います。しかし、それは疲れがとれたからでは無く、熱いお湯に入ったことで体が疲れてしまい、その疲労からよく眠れるようになっただけなのです。
お湯の温度は39-40度程度にしましょう。
肩までお湯に浸かると興奮作用が大きくなる
入浴時にもう一つ気をつけたいことがお湯の量です。
湯船いっぱいにお湯をため肩まで浸かってしまうと、水圧により心臓への負担が大きくなります。
また、人の体は下半身を温めることでリラックス効果を得ることができますが、上半身を温めると興奮作用が発生します。
肩までお湯に浸かってしまうと、リラックス効果よりも興奮作用のほうが強くなってしまうのです。
これらのことを踏まえたおすすめの入力法は、お湯の量をヘソの位置くらいまでにした半身浴です。
ヘソまでのお湯の量でしたら心臓へも負担はかかりませんし、下半身だけを温めることで十分なリラックス効果を得ることもできます。
長時間の入浴も疲れの元
入浴時間にも気をつけましょう。
入浴時間の目安は「汗をかき始めるくらいまで」です。
すでに説明したよりに、汗をかくのは脳が体温を調整しようと働いたからです。脳が働いたということは、それだけエネルギーを使ったということです。
汗をかく状態が長時間続くと、それだけエネルギーを使い、それが疲労にもつながってしまいます。
疲れを取るためには長時間の入浴は避けるようにしましょう。
ウナギを食べても疲労回復には効果がない
夏バテ防止のために土用の丑の日にウナギを食べる慣習がありますが、実はこれ、ほとんど意味がありません。
ウナギにはビタミンAやビタミンB1が豊富に含まれており、これらが体に良いのは事実です。
しかし、それらの栄養素、江戸時代なら不足していましたが、現代の日本ではほとんどの人が十分にとれています。十分にとれているモノを更に摂取したとしても効果は限定的です。
現代の日本においても効果が期待できる食材が「鶏の胸肉」です。
鶏の胸肉には「イミダペプチド」という疲労回復成分が多く入っています。
鳥の中には、アラスカからニュージーランドまでの1万1千キロを、1週間飛び続けて移動する渡り鳥がいます。1万1千キロというととんでもなく長い距離ですよね。
それだけの長い距離の移動を可能にしているのが、羽の付け根、つまり胸肉の部分に多く含まれている「イミダペプチド」と言われています。
このイミダペプチドを摂取することで、人にも疲労回復効果が期待できますというわけです。
ちなみに、ローソンの「からあげくん」は胸肉を使ってるので、疲れているな〜というときは、ドリンク剤やエナジードリンクを飲むよりは、「からあげくん」を食べた方が疲労回復には効果的かもしれませんね。